表面実装部品をつかった基板をリフローする際に必要なステンシル(メタルマスク)、基板本体よりも高いんですよね...
そんなステンシルを3Dプリンターでお安くつくってみることにしました。
ステンシルをつくる
まずは、ステンシルをつくるために必要な基板データを出力します。
基板の左上を原点に揃えておいてください。
KiCadの場合、PCBエディタからファイル > プロットを開きます。
出力フォーマットをDXF、エクスポート単位をmmにします。
F.Pasteで表面実装部品のみ、F.maskでスルーホールも含むパッドのデータが出力されます。 裏面用のステンシルが欲しい場合は B.* を選んでくださいね。
次に、ステンシルの3Dデータをつくります。
OpenSCADをダウンロードし、CLIから操作できるようにしてください。
そうしたら、GitHub からダウンロードしたMakefileとgen_stl.scadを同じフォルダにコピーし、以下のコードの中括弧をうめて実行します。
make run SOURCE={DXFファイルのパス} TARGET={STLファイルの保存先} WIDTH={基板の横幅} HEIGHT={基板の縦幅} THICKNESS={ステンシルの厚み} OFFSET={穴の拡張幅}
THICKNESSは0.16、OFFSETは0.1あたりがいいと思います。(OFFSET=ー0.05だとイマイチだったので)
コードを実行すると、こんな感じのSTLファイルが生成されます。
0.2mmノズル・高品質設定でスライスしてみるとこんな感じになりました。
狭ピッチICの部分はつながってしまっていますが多分問題ないと思います。
実際に印刷してみるとこんな感じになりました。 なかなかいいんじゃないでしょうか...!
でこぼこしたビルドプレートだとうまくいかないのでツルツルしたビルドプレートを買うといいと思います。 私はアリエクで買ったものをつかっています。 これのBlack peiってやつです。 なかなかいい感じですよ〜
つかってみた
印刷したステンシルをつかって実装してみました。
基板の上にステンシルをのせて固定し、はんだペーストを印刷していきます。
こんな感じになりました。
あきらかにはんだが乗っていないところをなおそうとしたところ、ちょっと汚い感じになってしまいました。 参考画像としてはイマイチかもしれません。
パッドが大きいところにはいい感じにはんだが乗っていますが、パッドが小さいところはイマイチですね。 それと、ステンシルがずれてしまったのか印刷がちょっとずれています。 画鋲とかで強めに固定したほうがいいかもしれませんなぁ
オーブンをつかってリフローしてみました。
はんだののりが甘かったところがずれてしまっています。 セルフアライメント効果(はんだの表面張力でいい感じになるやつ)も少し弱いように感じます。 OFFSET=ー0.05だと狭すぎたようです。
しかたがないので手はんだで修正して電源を入れてみました。
まだまだパラメータ等の改良が必要そうですが、一応使えそうであることはわかりました。 ステンシルを発注するよりも安く上がるのでもっと研究して実用性を高めたいです...!
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